A4-S Reading files サブマージアーク溶接用ボンドフラックス

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背景


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近年、エネルギー産業の発展に伴い、低温用鋼が広く用いられている。そして、低温用鋼を使用した寒冷地のラインパイプ、LPGタンク、海洋における石油採掘基地などの海洋構造物では、安全性及び耐久性の確保のために、更なる品質向上が求められている。特に、溶接部に対する性能要求はより厳しいものとなっており、脆性破壊力学の観点から、溶接部及び溶接材料に対して、高い破壊靱性性能が要求されている。靭性の評価基準として代表的なものとしては、シャルピー衝撃試験における破面遷移温度(vTrs)、設計温度での破壊靱性値(CTOD)などがある。

また、特に海洋構造物などのように板厚が極めて大きい構造物では、溶接材料の使用量減少及び作業時間の短縮などを目的として、狭開先で施工が行われる場合があり、スラグ巻込みや融合不良などの欠陥が生じやすい。このため、これらの構造物に使用される溶接材料は、前述した破壊靱性性能に加えて、溶接作業性の観点から、スラグ剥離性及び開先面でのなじみ性が重要となる。

従来、低温用鋼を使用した重構造物の厚板溶接では、被覆アーク溶接棒を用いた手溶接やTIG(Tungsten Inert Gas)溶接などが多用されているが、溶接能率を向上させるため、サブマージアーク溶接材料の開発が望まれている。しかしながら、サブマージアーク溶接による厚板の狭開先溶接には施工上の問題があり、溶接作業性に優れた低温用鋼用サブマージアーク溶接材料に対する要望が高まっている。

具体的には、サブマージアーク溶接で発生するスラグは他の溶接方法に比べて厚いため、スラグが開先内に噛み込み、剥離が困難になることが多い。このため、厚板の狭開先溶接の施工では、止端形状を改善するためにグラインダー処理が必要となったり、スラグ巻込みが発生しやすくなったりする。そこで、融合不良などの溶接欠陥を避けるために開先を広幅化すると、能率が低下する。

一方、サブマージアーク溶接用のフラックスは、ボンドフラックスと溶融型フラックスに大別される。そのうち、ボンドフラックスは、脱酸剤やスラグ形成剤などのフラックス原料に水ガラスを添加し、適当な大きさに造粒した後、500℃前後の温度で乾燥することにより製造される。

ボンドフラックスには、金属炭酸塩の分解で発生するCO2ガスにより、アーク雰囲気中の水蒸気分圧を下げ、溶接金属中の拡散性水素量を抑制するという特徴がある。また、ボンドフラックスは、耐吸湿性に優れた性能を有し、更に、塩基度を高くすることにより、溶接金属中の酸素量を低減させて靭性を向上させることが可能であるため、耐割れ性及び靭性性能に優れた溶接金属を得ることができる。このような理由から、ボンドフラックスは、低温用鋼の溶接材料として適しており、溶接施工条件及び溶接環境などによらず、良好な溶接金属性能が得られるようなものとすることが重要となる。

そこで、本出願人は、低温用鋼のサブマージアーク溶接用として、溶接作業性に優れ、低温靭性が優れた溶接金属が得られるボンドフラックスを提案している(特許文献1,2参照)。例えば特許文献1に記載のボンドフラックスでは、金属酸化物、金属炭酸塩、金属弗化物などの種類や含有量を特定することで、溶接金属中の酸素量や窒素量を抑制している。また、特許文献2に記載のボンドフラックスでは、溶接金属中の酸素量及び窒素量の低減に加えて、S含有量を特定の範囲にすることで、開先面でのなじみを良好にして、溶接作業性を向上させている。

概要

目的

従来、低温用鋼を使用した重構造物の厚板溶接では、被覆アーク溶接棒を用いた手溶接やTIG(Tungsten Inert Gas)溶接などが多用されているが、溶接能率を向上させるため、サブマージアーク溶接材料の開発が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数 0件 牽制数 0件
この技術が所属する分野
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溶接材料およびその製造
溶接用非金属材料(フラックス)
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請求項
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請求項1

MgO:25〜45質量%、Al2O3:5〜25質量%、CaF2:5〜25質量%、金属炭酸塩(CO2換算):2〜10質量%、CaO及び/又はBaO:合計で2〜10質量%、金属Si、Si合金及びSi酸化物のうち少なくとも1種(Si換算):合計で2〜10質量%、金属Ti、Ti合金及びTi酸化物のうち少なくとも1種(Ti換算):合計で0.4〜0.9質量%、金属B、B合金及びB酸化物のうち少なくとも1種(B換算):合計で0.05〜0.3質量%、S:0.005〜0.15質量%、を含有すると共に、金属Al及びAl合金の総含有量(Al換算値)が0.1質量%以下に規制され、金属Si及びSi合金の総含有量(Si換算値)が0.3〜2.0質量%であり、かつ、金属Si、Si合金及びSi酸化物の総含有量(Si換算値)と、金属Ti、Ti合金及びTi酸化物の総含有量(Ti換算値)との比(総Si量/総Ti量)が5〜15である、サブマージアーク溶接用ボンドフラックス。

請求項2

MgOが30〜40質量%であることを特徴とする、請求項1に記載のサブマージアーク溶接用ボンドフラックス。

請求項3

Al2O3が10〜20質量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のサブマージアーク溶接用ボンドフラックス。

請求項4

CaF2が10〜20質量%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のサブマージアーク溶接用ボンドフラックス。

請求項5

金属Si、Si合金及びSi酸化物の総含有量(Si換算値)と、金属Ti、Ti合金及びTi酸化物の総含有量(Ti換算値)との比(総Si量/総Ti量)が5〜10であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のサブマージアーク溶接用ボンドフラックス。

詳細
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[目次]

技術分野
背景技術
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段
発明の効果
図面の簡単な説明
実施例
技術分野


ss→山上雅史